非実在青少年問題

こんばんは、燕です。


今年の三月から一部ネットをにぎわせていた非実在青少年問題。
旧ブログでは取り扱っていましたが、新ブログの方ではまだ記事として情報拡散の姿勢をとっていなかったので、今回こうして記事とさせていただきました。
旧ブログでの記事はこちら↓
http://d.hatena.ne.jp/tubame23/20100322/1269268802

旧ブログのスタイルの都合、腐女子視点よりも一般人視点でのデメリットを紹介する形になっています。


また、mixiでも一般人向け視点で（mixiでは完全に隠れオタであるため一般人視点をとっています）記事を書いたこともあるので、そちらも参考に同じ文面を追記に貼り付けておきます。




 

mixi5月22日日記

「非実在青少年」とは、小説・漫画・アニメで18歳未満の登場人物、並びにこどもっぽく見えるキャラクターのこと。
「非実在青少年問題」とは「東京都青少年健全育成条例改正案」の中に「18歳未満のキャラクターの暴力表現・性表現・とりあえず教育上よろしくない表現を扱う小説・漫画・アニメを規制しよう」という項目があって、そこから生じた諸々の出版・表現関係の問題を「非実在青少年問題」と呼んでいます。とりあえず小説とか漫画とかアニメとかに関わってくる問題やと思ってください。

「東京都青少年健全育成条例改正案」は東京都の条例であって直接他の道府県に影響してくる条例ではありませんが、
１、東京都が全道府県のリーダー的な立ち位置にあり、この条例が東京都で通ると追従してくる道府県が出る可能性があること
２、この問題が出版に深く関わるものであり、東京都に多くの出版会社が集中していることから、この条例が通ればその影響は他道府県にすぐに影響するであろうこと
の二点から私は注目しています。



さて、「東京都青少年健全育成条例改正案」（以下都条例）では非実在青少年に対してどのような行動がされようとしているのか。ざっくばらんに説明すると
・小説・漫画・アニメは子どもに大きな影響を及ぼす
・18歳未満の青少年がセックスをしたり暴力を振るったりする小説・漫画・アニメを見て現実に実行に移すかもしれない
・18歳未満がセックスしている作品や18歳未満が暴力を振るったり振るわれたりする作品は「不健全図書」にして書店に出回らないようにしよう！
という感じです。（「小説は規制の対象に入らない」という話もありますが、質疑応答で入らないと言われただけで条文には明記されていないので今回も漫画・アニメと同列に扱っています）

別にいいんじゃね？子どもに見せたくないものもあるでしょうよ。子どもに見てほしくないようなものが18禁マークもつけず売られている事実もあるでしょうよ。
と、言うかそんな興味のあるジャンルじゃないし私とあんまり関係ないから好きにしてくれていい。


↑非実在青少年を詳しく調べる以前の私の感想はこんな感じです。
しかしどうも規制されるのは過度の性表現や暴力表現だけではないらしい。今一般的に読まれている小説・漫画・アニメが規制の対象になり、本屋さんに出回らなくなったり作品に表現規制がかかり過ぎて今より面白くなくなる可能性がある。

そう都条例反対派に言われているのは、この条例の文があいまい過ぎて「本当に悪質な作品のみを規制する」ようにも「小説・漫画・アニメの全てが規制される」ようにもとれるから。

都条例賛成派の意見とか「条例に対する誤解が広まっていて、本当はそんな表現を規制する危険な条例ではない」って言う新聞を読むと「あぁ、やっぱり大丈夫な条例なんかな」とも思うねんけど、どうにも反対する団体が本気過ぎてこの条例が本当に大丈夫なものとは思えない。
本当に酷い作品を規制するだけですむ条例なら、それが一番良いのですけどね。


さてここで、反対している団体について。
図書館協会とか日本ペンクラブとか言われても「？」やねんけど、条例に反対しているコミック10社会っていうのが読んでる作品の会社が多くて何事かとびびった。
コミック10社会→秋田書店・角川書店・講談社・集英社・小学館・少年画報社・新潮社・白泉社・双葉社・リイド社
お世話になってますいつも楽しませていただいております。

この条例が本当に安全で「表現の自由」だとか何とかを規制しないものなら、ここまで会社が集まって反対とかしないよね？
私が読んでいる限り（少なくとも購読したことのある10社中7社は）規制しなければならないような性表現や暴力表現を扱った作品をメインに出版していた覚えはないのだけど、これらの会社が反対しているということは、これらの会社にも損害が生じる可能性がこの条例にはある、ということだよね？
条例が「子どものため」「二次元の児童ポルノを規制するため」と言っていればパッと聞いた瞬間正しいのは条例賛成派で、条例に反対する人々は「二次元の児童ポルノを愛好する気持ち悪い人」というイメージになるのだけど、その悪印象を被ってでもこの条例には反対しなければいけない、と、これらの会社は思っているわけだ。

これが「この条例ってやばくない？」と私が判断する理由の一つ。

次に「あ、この条例ホンマにやばいねんな」と思ったのが、一般の大学がこの条例に反対意見を出していたから。
反対意見を出していたのが東京工芸大学漫画学科と京都精華大学漫画学部やねんけど、名前からして漫画の問題に関わってきそうな人々。
これら大学が反対意見を出したというのは、つまり「自分のところの生徒らが影響を被る」「自分のところの生徒にとって良い環境にはならない」と思ったということよね？
自分の教え子を大切にしたいって気持ちは本物やと思う。この大学の学部学科から出て行く子らが、全員18歳未満のあくどいセックスを描くわけではないでしょう？



私は創作するものと言っても基本建築分野で、小説とか漫画とかアニメには見て楽しむ側としての意見しか出せないのだけど、上記の理由からこの条例にはあまり良い印象はありません。


個人の意見なのですけども（ ´Д｀)


ちなみにこの条例、3月に審議継続になって6月に再審議やねんけど、議会を通過する寸前らしいです。強行採決が今の流行やから。



ぼちぼち概要と自分の意見をまとめてみました。
わかりづらかったり「もっと詳しく話せコラぁっ」というところがありましたら申し訳ありませんm(_　_)m


以下、参考にしているHPを記載しておきますので、もっとこの話を詳しく知りたい場合は下のURLも参照してみてください。



東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト
http://mitb.bufsiz.jp/



↓ちょっと長くて気合がいるけど、2月からの一連の流れがわかります。

「非実在青少年」問題とは何なのか、そしてどこがどのように問題なのか？まとめ
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100319_hijituzai_seisyounen/




最近は国会改正案とか基地とか家畜の病気とか考えること、考えてみたいことが多すぎて忙しいですね。この条例の非実在青少年に関する項目以外もじっくり見て見たいところ。



とりあえず私は国民全員が三食おいしいご飯が食べれて、熱いお風呂に入れて、おうちで眠れるのが幸せな国だと思います。まる。

mixi3月12日日記

最近mixiニュースの一部で流行っているネタ。アニメやマンガは不健全か？
児童ポルノ撲滅運動の一環として出された、マンガやアニメの中の少年少女に関する法案。
3月10日のニュースで、日記件数が10000を超えていたけれど、これってつまり施行されたらどうなるの？何が規制されるの？
「表現の自由が失われる」とかどうとか言っているけれど、児童ポルノを扱った作品を規制するだけでどうして表現の自由が失われるの？


児童ポルノを扱った作品を規制するのはありだと思う。発禁にしたところでそう言った趣味性癖はなくなるわけではないけれど、書店に並ばなくなったら確かに人の目に付き難くなるから。そういった趣味が存在することをなかったことにはできないけれど、ある個人Aがそういった作品を見なければ、知らなければ、その存在は個人Aにとって存在しないのと同じなわけで。実際に存在しているこどもに見られなければいいんじゃない？

「児童ポルノを規制するぞ！」って聞いたら「いいぞもっとやれ！！」って思うけど、10000件を超える日記は一部が「こんなわけのわからん法案をまじめにつくっている人々は馬鹿だ」という感想、ごく一部が「いいぞもっとやれ！！」な感想、大半がこの法案に反対。
何で？
二次元限定でロリコン、ショタコンの方々が多く反対しているみたいだけど、二次元の児童ポルノが規制されたところで別に問題なくない？だって規制されたところでそれらの趣味が無くなるわけではないし、規制をかけることが難しいネットの中にはどこかで存在し続けるだろうから。要はうら若いお嬢さんお坊ちゃんが見にくいようにしたら良いわけで、うら若いお嬢さんお坊ちゃんにロリコンやショタコンの作品を読んでもらいたくないのは、二次元でロリコンやショタコンを楽しんでいる人々だって一緒だと思う。
二次元限定のこども趣味な方々の反対意見は「そこまで気にすること？」かと思う。だって規制される前に隠れているのが前提の趣味だと思うから。


反対意見で私が「？」と気になったのが「週間少年ジャンプや少年マガジンも無くなる」という意見。規制するのは児童ポルノだけだよね？ジャンプにもマガジンにもセクシャルな表現は（少なくとも私が読んでいる範囲では）なかったと思うけど、どうしてそれらの雑誌がなくなるの？

これがよくわからなかったので、少し調べて見ました。



どうやら
『一　青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの』
の「残虐性」のところに主に該当するようです。

バトルマンガは全部だめなのか。
One pieceのルフィも17歳だったね。NARUTOの主人公が15（6?）歳、ブリーチも15歳かそれくらいだったわ。

内容は無視なの？ジャンプの理念って「友情」「努力」「勝利」の三つで、全ての掲載作品は最低このどれかひとつを入れることになってる。確かな理念を持ったマンガでも、バトルマンガというジャンルで暴力表現だけでアウトになってしまうの？

これがアウトになるらしい。これは今回の法案の有害図書の決め方によるものなのだけど、この決め方を包括指定制度というらしい。
『包括指定制度とは
包括指定制度とは、審議会で１点１点指定する「個別指定」、行政の一存で指定する「緊急指定」と異なり、具体的な雑誌名・書籍名を示さずとも、青少年に「有害」であるとする描写が全体の3分の1、5分の1あるいは20ページ以上、10ページ以上といった基準に達していた場合、自動的に「有害」図書とみなす制度』

ワンピース完全にアウトやわ。全巻そろえたら20ページどころの騒ぎちゃうわ。
有害図書とされたら流通そのものがストップしてしまうねんて。つまりワンピースの続きが読めない。マジで？



このあたりから「この法案、実はおかしくない？」と疑問に思い始めます。
マンガやアニメの文化は海外からも高く評価されているもので、これらの流通をストップしたら国内の経済に少なからず影響は出るはずで。何でわざわざ経済にまで踏み込むような規制案を作るの？

まずこの法案をつくった諮問機関が「東京都青少年問題協議会」というところで、児童ポルノ法改正による漫画・アニメ・ゲームの規制の必要性を強く主張している警察関係団体幹部、キリスト教団体顧問、大学教授、PTA会長などの委員で構成されています。
中心となっているのが警察関係団体とキリスト教団体らしいのだけど、警察は官僚でキリスト教団体は宗教法人。民間の経済なんて「自分は知らない」と言い切れる立場で、なおかつ「国が貧乏になっても自分たちの主張が通った方が良い」と考えている人々だそうです。（後者の発想はさすがに「法案反対派が捏造したのでは？」と考えてしまうくらい非人道的でありえない話ですが。）

マンガやアニメが嫌いな人で、経済が低迷しても自分には関係ないと言える人々がこの法案をつくり、その法案が今東京で通りそうになっている。

これ、本当に通して良い法案なの？

今は東京都内に限定された法案だそうですが、多くの出版社が東京に集中すること、また、首都から始まることから、この法案は採択されればまもなく日本全国に広まるそうです。



これは日記の大半が反対意見になるのもうなずけます。
児童ポルノがどうとかそんな話じゃなかった。これ「児童ポルノに関する～」とか前につけたら聞こえが良くなっただけで、内容は「こどもを守る」を大義名分にして好き勝手したい大人のわがままだった。
これは怖い。





何かね、日本は自分の国の文化をないがしろにし過ぎだと思います。
イタリアの売店ではピカチュウのぬいぐるみが売っていました。
メキシコでは日本のアニメ（カードキャプターさくらとかるろうに剣心とか）が放送されていました。
オーストラリアでは日本のマンガの貸し本屋さんを見ました。
ノルウェーの歴史博物館の近現代ゾーンでは、ポケモンのゲームソフトが展示されていました。
私の父はイタリアで仕事をした時、職場の人にこう聞いたそうです。

「自分は日本のアニメを見て育った」

世界中の人々に楽しい時間、幸せな時間を日本が作り出しているのだと思えば、日本のマンガやアニメは世界に対してとても重要な立場を持っていることになる。
確かに娯楽はマンガやアニメだけではない。
でも、世界の一部の人にだけだとしても、顔も見えない、言葉も通じない、もしかしたら一生あうこともないかもしれない人たちに「楽しい」時間を提供しているって、すごいことじゃないですか？